『マッシュル-MASHLE-』といえば、魔法がすべてを決める世界で、魔法を使えないマッシュ・バーンデッドが筋肉だけで常識を壊していく作品です。
しかし、その独特な世界観は最初から完成していたわけではありません。
実は「魔法学校」という作品の中心となる設定は、連載前の段階では存在していなかったことを甲本一氏自身が明かしています。
さらに公式ファンブックや単行本のおまけ、作者インタビューまで調べると、レインの意外すぎる趣味やオーターとワースの知られざる兄弟関係など、本編だけでは気づけない設定が数多くあります。
今回は『マッシュル-MASHLE-』の公式情報を中心に、有名な考察や都市伝説も含めて紹介します。

魔法が当たり前の世界で、魔法を使えない少年マッシュが鍛え上げた筋力だけで難関を突破していく『マッシュル-MASHLE-』。
豪快なバトルとテンポの良いギャグ、仲間との熱い友情が絶妙に組み合わさった人気作です。
笑えて熱くなれる物語を最後まで一気に楽しめる、全18巻セット。
「魔法学校」という設定は後から追加された

『マッシュル』といえば、イーストン魔法学校を舞台にした「魔法学校×筋肉」という組み合わせが最大の特徴です。
しかし驚くことに、連載を目指していた当初は「魔法学校」という設定そのものがありませんでした。
甲本一氏によると、当時の作品は担当編集者から「力の強いやつがいるだけ」「何の漫画なのか分かりづらい」という趣旨の指摘を受けていたそうです。
その後、担当編集者が替わり、「魔法学校に入れたら?」と提案されたことで現在の形につながりました。
甲本氏自身も、そのアイデアを聞いた瞬間に「それだ」と感じたと振り返っています。
つまり、マッシュが魔法学校で筋肉を武器に戦うという作品最大の特徴は、最初から考えられていたものではなかったのです。
マッシュには『破壊神シヴァ崎くん』という原型がいた
現在のマッシュは無表情で常識外れですが、シュークリームが大好きで、家族や仲間を大切にする優しい主人公です。
そんなマッシュにつながるキャラクターは、『マッシュル』の連載前から存在していました。
甲本一氏は2019年、『ジャンプGIGA』に読切『破壊神シヴァ崎くん』を発表しています。
シヴァ崎は無表情で常識から少しずれており、トラブルを圧倒的な腕力で解決してしまう人物です。
キノコのような髪型を含め、後のマッシュを思わせる特徴が数多く見られることから、マッシュの原型となったキャラクターとして知られています。
ただし、現在のマッシュは「強すぎる無表情キャラ」というだけではありません。
シュークリームが大好きだったり、育ての親レグロを大切にしたりと、かなり愛嬌のある人物になっています。
つまりマッシュは、『破壊神シヴァ崎くん』で描かれていた「無表情なのに圧倒的に強い主人公」という基本形に、人間らしい優しさや天然さを加えて完成したキャラクターと見ることができます。
『マッシュル』以前の読切を見ると、マッシュという主人公が突然生まれたのではなく、甲本氏が以前から描いていたキャラクター像を少しずつ発展させた存在だったことが分かります。
『マッシュル』は長期連載になる予定ではなかった
全18巻にわたって壮大な戦いが描かれた『マッシュル』ですが、甲本一氏は当初、長期連載になるとは考えていませんでした。
連載を勝ち取った時点でも、「1年くらいだったら連載できるかも」と考えていたと語っています。
さらにアニメ公式サイトの鼎談でも、「長期連載になる想定を最初はしていなかった」と明かしました。
物語後半では神覚者だけでなく、イノセント・ゼロやその息子たちまで登場し、魔法界全体を巻き込む戦いへ発展していきます。
しかし、その壮大な展開まで最初から細かく決められていたわけではなかったようです。
『ワンパンマン』との共通点には本当に理由があった
『マッシュル』を読んで、
「マッシュは『ワンパンマン』のサイタマに似ている」
と感じた人も多いのではないでしょうか。
表情をほとんど変えない主人公が、圧倒的な力で強敵をねじ伏せてしまう構造には確かに共通点があります。
実は甲本一氏自身が、学生時代から『ワンパンマン』に強い影響を受けていました。
高校1年生のころに漫画賞へ応募した作品について、甲本氏は自ら「『ワンパンマン』みたいなやつ」と説明しています。
主人公もサイタマのような人物だったそうです。
さらに甲本氏は、漫画家として自分の「血肉になった作品」として『ボボボーボ・ボーボボ』と『ワンパンマン』を挙げています。
WEB版『ワンパンマン』に夢中になりすぎて、学校の英語のテストで赤点を取ったことまであったそうです。
マッシュとサイタマの共通点は、偶然だけではなかったと考えてよさそうです。
「甲本一氏=ONE氏」という都市伝説が生まれた
『ワンパンマン』との共通点が多かったことから、一部ではさらに変わった都市伝説も生まれました。
それが、
「甲本一氏は『ワンパンマン』原作者のONE氏なのではないか」
という説です。
「甲本一」という名前の「一」と「ONE」を結び付ける説まで登場しました。
しかし、これは事実ではありません。
甲本氏は2018年に「柏崎康一」名義で赤塚賞佳作を受賞し、その後『マッシュル』の連載へ進んだ経歴が公式に紹介されています。
一方で甲本氏本人は、学生時代から『ワンパンマン』の大ファンだったことを明かしています。
そのため「同一人物」ではなく、「ONE氏の作品から強い影響を受けた漫画家」と考えるのが自然です。
都市伝説が生まれるほど作風に共通点があったという点自体が、面白い話ではないでしょうか。
『ハリー・ポッター』が元ネタという説は公式設定ではない
『マッシュル』には、魔法学校、杖、寮、箒を使った競技など、『ハリー・ポッター』シリーズを思わせる要素が数多く登場します。
そのため連載当初から、
「『ハリー・ポッター』を元ネタにしているのでは?」
という考察が広まりました。
確かに似ている部分はありますが、甲本一氏が「『ハリー・ポッター』を元に作った」と公式に明言した事実は確認されていません。
むしろ甲本氏が明らかにしている制作過程では、もともと魔法学校という設定すらなく、担当編集者の「魔法学校に入れたら?」という提案から現在の世界観が生まれています。
そのため「『ハリー・ポッター』がそのまま元ネタ」という話は、公式設定ではなく作品の共通点から生まれた考察として見るのがよさそうです。
『ボボボーボ・ボーボボ』は甲本一氏の原点だった
『マッシュル』には、緊迫した場面の途中で突然シュールなギャグが入ることがあります。
その独特な笑いのルーツを考えるうえで外せない作品が、『ボボボーボ・ボーボボ』です。
甲本一氏が人生で初めてハマった漫画は、小学1年生ごろに古本屋で出会った『ボボボーボ・ボーボボ』でした。
子どものころにはキャラクターを模写するほど好きだったと話しています。
さらに『マッシュル』連載後には、センターカラーで『ボーボボ』を真似するため、作者の澤井啓夫氏に直接許可を求めています。
その際、澤井氏から応援の言葉をもらい、甲本氏は「すべてが報われた」と感じるほど嬉しかったそうです。
『マッシュル』のシュールな笑いには、甲本氏が子どものころから好きだったギャグ漫画の影響も流れているのかもしれません。
ランスはもっと危険な「戦闘狂」になる予定だった

妹のアンナを溺愛しながらも、マッシュたちの頼れる仲間として活躍するランス・クラウン。
実は現在とは少し違うキャラクターになる予定でした。
甲本一氏はランスについて、もともと「マッシュのイケメンライバル」という立場で作ったと説明しています。
さらに当初は、現在よりも「戦闘狂」のような人物にするつもりだったそうです。
ところが実際に描いてみると、予想以上に親しみやすいキャラクターになりました。
現在のランスは冷静なイケメンでありながら、妹が絡むと一気に様子がおかしくなる人物です。
もし初期案のままだった場合、マッシュたち5人の関係もかなり違ったものになっていたかもしれません。
レインの趣味は「ウサギ吸い」と裁縫
神覚者であり、普段は無口で近寄りがたい雰囲気を持つレイン・エイムズ。
そんなレインには、見た目からは想像しにくい趣味があります。
公式ファンブックによれば、レインの趣味は「ウサギ吸い」と「裁縫」です。
休日もウサギの世話をしており、お小遣いの使い道にも「ウサギの飼育費」が含まれています。
魔法史や魔法動物学を得意とする一方、必要以上に話すことを苦手としているという細かなプロフィールも設定されています。
弟のフィンに対しても素直に気持ちを表せないレインですが、ウサギに対してはかなり愛情深いようです。
強さと怖さが目立つ神覚者だけに、「趣味はウサギ吸い」という落差は作中でもトップクラスではないでしょうか。
オーターはこっそり「弟との過ごしかた」を読んでいた
規律を何より重視する神覚者オーター・マドルと、その弟ワース・マドル。
本編を見る限り、兄弟仲はかなり冷え切っているように見えます。
ところが本編外では、意外な事実が明かされています。
オーターは「弟との過ごしかた」という本を読んでいるところを、ランスに目撃されているのです。
さらにワースの幼なじみシュエン・ゲツクによると、ワースがかけているサングラスは兄オーターの眼鏡と同じデザインとのこと。
ワースは兄と比べられ続けたことで強い劣等感を抱いていますが、それでも兄を強く意識していたことが分かります。
一方のオーターも、表向きは冷たい態度を取りながら「弟との過ごしかた」を勉強していました。
似ていないように見える兄弟ですが、実際にはお互いをかなり気にしているようです。
マッシュの本当の夢は神覚者ではなくパティシエ
マッシュは神覚者を目指して数々の強敵と戦います。
しかし、神覚者になること自体が人生の夢というわけではありません。
公式ファンブックなどで紹介されているプロフィールによると、マッシュの将来の夢は「パティシエ」。
しかも店の名前の候補まで考えており、その名前は「ビアードマッチョ」です。
お小遣いもシュークリームの材料やプロテインに使い、休日には筋トレだけでなくシュークリーム作りをしています。
魔法界の運命を左右するほどの力を持ちながら、本人が本当に望んでいるのはシュークリームを作る穏やかな生活なのです。
作品の最初から最後まで、マッシュの価値観は意外なほど変わっていないことが分かります。
本編に出ない魔法界の設定まで細かく作られている
『マッシュル』はギャグの勢いが強い作品なので、世界観について「かなり適当に作られているのでは?」と感じる人もいるかもしれません。
しかし公式ファンブックを見ると、その印象は大きく変わります。
集英社によれば、公式ファンブックには120人以上のキャラクタープロフィールだけでなく、「魔法界の全貌」や「各魔法学校の詳細情報」、寮生活など、本編ではほとんど説明されない情報まで収録されています。
さらに甲本一氏が読者の質問に答える一問一答は130問以上あります。
つまり、作中で詳しく説明されなかった部分についても、かなり細かな設定が用意されているわけです。
シリアスな魔法社会と、筋肉ですべてを解決してしまうマッシュ。
一見すると勢いだけで成立しているように見えるその落差こそ、『マッシュル』のおもしろさなのかもしれません。
マッシュルの裏設定まとめ
『マッシュル-MASHLE-』は、「魔法学校で筋肉だけを使って戦う」という最初から完成された企画だったわけではありません。
魔法学校という舞台は担当編集者の提案から生まれ、甲本一氏が影響を受けた『ワンパンマン』や『ボボボーボ・ボーボボ』など、さまざまな要素が重なって現在の作品になりました。
また、公式ファンブックではレインの「ウサギ吸い」、オーターが読んでいた「弟との過ごしかた」、マッシュのパティシエになる夢など、本編だけでは分からない設定も明かされています。
一方で「甲本一氏=ONE氏説」や「『ハリー・ポッター』がそのまま元ネタ」という話は、公式設定ではなく共通点から広まった考察や都市伝説です。
公式情報と噂を分けて見ていくと、『マッシュル』がどのように生まれ、キャラクターがどれだけ細かく作られているのかが見えてきます。

魔法が当たり前の世界で、魔法を使えない少年マッシュが鍛え上げた筋力だけで難関を突破していく『マッシュル-MASHLE-』。
豪快なバトルとテンポの良いギャグ、仲間との熱い友情が絶妙に組み合わさった人気作です。
笑えて熱くなれる物語を最後まで一気に楽しめる、全18巻セット。





















