【サイボーグ009】驚きの裏設定18選!未完の最終章「天使編」の真相

『サイボーグ009』は、石ノ森章太郎作品を代表するSF漫画です。

世界各地から集められ、本人の意思とは関係なく改造された9人のサイボーグ戦士たちが、自分たちを生み出したブラック・ゴーストと戦います。

しかし、本作には漫画を読んでいるだけでは分からない設定や、制作の裏側に隠された話が数多くあります。

さらに、石ノ森章太郎氏が生涯をかけて考え続けた「本当の完結編」も存在します。

今回は『サイボーグ009』の公式設定や制作秘話、有名な都市伝説までまとめて紹介します。

「サイボーグ」という発想は海外旅行中に生まれた

009 島村ジョー

『サイボーグ009』誕生のきっかけは、石ノ森章太郎氏が海外旅行中に目にした情報だったとされています。

当時まだ日本では一般的ではなかった「サイボーグ」という言葉を知り、人間と機械を組み合わせたヒーローを考えるようになりました。

ところが、当時としてはあまりにも新しい題材だったため、企画を出版社に理解してもらうのも簡単ではなかったそうです。

現在では当たり前のように使われる「サイボーグ」という言葉ですが、日本で広く知られるようになった背景には『サイボーグ009』の存在も大きく関係しています。

サイボーグ戦士が9人なのは野球ルールからの発想

001から009まで9人いるのにも理由があります。

石ノ森章太郎氏は、それぞれ違う能力を持った仲間が協力するチームを考えたとき、野球の9人をイメージしたとされています。

全員が同じ能力を持つのではなく、それぞれが自分の得意分野を担当するわけです。

さらに男性だけでは面白くないとして、女性の003や赤ん坊の001も加えられました。

現在では当たり前に見える9人の構成も、かなり計算されたチームだったのです。

009は8人の技術を集めた完成型だった

島村ジョーは単に「9番目に改造されたから009」なのではありません。

ブラック・ゴーストが001から008までを作る過程で得た技術を集めて完成させた、万能型のサイボーグです。

そのため009は、高い身体能力に加えて加速装置まで備えています。

いわば001から008までが実験と改良を重ねた結果、その集大成として誕生した存在が009でした。

主人公だから特別に強いのではなく、設定上でもブラック・ゴーストの技術の完成形に近い存在なのです。

ジョーの父親の国籍は明かされていない

島村ジョーは、日本人の母親と外国人の父親の間に生まれています。

しかし、父親がどこの国の人物なのかは明確にされていません。

幼いジョーは混血であることを理由に周囲から冷たい扱いを受け、孤独な少年時代を過ごしました。

この経験は、ジョーが人種や国籍に関係なく仲間を大切にする人物になったこととも深く結びついています。

世界中から集まった9人が手を取り合う『サイボーグ009』という作品のテーマを、主人公自身が最初から背負っているとも考えられます。

ジョーの前髪は手術痕を隠しているという都市伝説

ジョーといえば、片目を覆うほど長い特徴的な前髪です。

この髪型について、「ブラック・ゴーストによる改造手術の跡を隠している」という説がファンの間で語られることがあります。

頭部に残った改造の痕跡を見せないため、長い前髪で隠しているという少し怖い説です。

ただし、この設定を石ノ森章太郎氏が公式に明かしたという確かな資料は確認されていません。

そのため、現在のところは都市伝説として扱うのが正確でしょう。

むしろジョーの髪型には、正面や横など見る方向によって隠れる目が変わって見えるという、漫画だからこそ成立する不思議があります。

002のジェット・リンクにも似た特徴があり、石ノ森作品独特の大胆なデザインとして楽しむほうがよさそうです。

001は父親によって実験台にされた

001 イワン・ウイスキー

001ことイワン・ウイスキーは、赤ん坊でありながら非常に高い知能と超能力を持っています。

その能力を与えたのは、父親であるガモ・ウイスキー博士でした。

原作では、生まれて間もない息子に頭脳改造を行ったことで、イワンの脳は普通の人間を大きく超える能力を持つようになります。

テレパシーや念動力だけでなく、瞬間移動など常識では考えられない能力まで使えます。

ブラック・ゴーストによって作られたほかの8人とは、誕生の経緯そのものが違う特殊なメンバーです。

001がずっと赤ん坊に見えるのにも理由がある

イワンは物語が続いても、ほとんど赤ん坊の姿から変化しません。

これにも特殊な身体の仕組みが関係しています。

イワンは普通の人間とは大きく違う睡眠周期を持っており、長期間起きたあと、同じように長い眠りにつくことがあります。

さらに強力な超能力を使った後にも、長時間眠らなければなりません。

そのため肉体の成長も普通の人間より非常に遅いとされています。

最強クラスの能力を持ちながら、いつでも自由に使えるわけではないという大きな弱点も持っているのです。

002の加速装置が消えた理由は「壊れたから」

初期のジェット・リンクには、009と同じように加速装置がありました。

ところが物語が進むと、いつの間にか002は加速装置を使わなくなっています。

長い作品なので設定変更と思ってしまいそうですが、この疑問について石ノ森章太郎氏本人が答えたという逸話があります。

その答えは非常に単純で、「旧式だから壊れた」というものでした。

009より前に改造された002の装置は旧型だったため、使えなくなったというわけです。

細かな矛盾を、作品世界の中で説明してしまう石ノ森章太郎氏らしいエピソードです。

004はほとんどの肉体を機械に置き換えられている

004ことアルベルト・ハインリヒは、9人の中でも特に機械化が進んだサイボーグです。

右手には銃、左手には刃物、脚にはミサイルなど、全身が武器と言ってよい身体になっています。

単に強いだけではなく、「人間だったころの身体をほとんど失ってしまった人物」として描かれている点が重要です。

004は恋人ヒルダと国境を越えようとした際の悲劇をきっかけに、ブラック・ゴーストによって改造されました。

そのため、自分の身体を兵器へ変えられたことへの苦しみも、ほかのメンバー以上に強く描かれています。

無口で冷静な性格の裏には、非常に重い過去が隠されています。

007は元人気俳優だった

007 グレート・ブリテン

007ことグレート・ブリテンは、コミカルな場面を担当することが多い人物です。

しかし改造される以前は、人気の舞台俳優でした。

長い俳優生活の中で人気を失い、生活も苦しくなったところをブラック・ゴーストに利用されます。

その経験から演技力にも優れており、変身能力との相性は抜群です。

お調子者に見える007ですが、かつての栄光を失った大人という、少し寂しい背景を持ったキャラクターでもあります。

007の変身能力は人間以外にも使える

007の能力は「変装」ではありません。

自分の細胞そのものを変化させ、別の姿になる能力です。

そのため人間だけではなく、動物などにも姿を変えられます。

さらに作品によっては無機物にまで変身しており、冷静に考えると00ナンバーの中でもかなり異常な能力です。

見た目がコミカルなので目立ちませんが、応用範囲だけを考えれば非常に強力なサイボーグと言えるでしょう。

初代アニメでは007が子どもに変更された

原作の007は大人の男性ですが、1968年に放送されたテレビアニメでは子どものようなキャラクターへ大きく変更されました。

そのため、初期アニメから『サイボーグ009』を知った人と原作読者では、007に対する印象がかなり違います。

後のアニメ作品では、原作に近い大人のグレート・ブリテンへ戻されています。

同じ『サイボーグ009』でも、時代によってキャラクター設定が大きく変わっている代表例です。

ブラック・ゴーストの本当の支配者はスカールだけではない

ブラック・ゴーストのボスといえば、ドクロのような仮面をかぶったスカールを思い浮かべる人も多いでしょう。

ところが「地下帝国“ヨミ”編」では、そのさらに奥に存在するものが明らかになります。

ブラック・ゴーストを支配していたのは、単純にスカール一人ではありませんでした。

最深部には巨大な「三つの頭脳」が存在しています。

つまりスカールを倒せばすべて解決するという単純な悪の組織ではなかったのです。

ブラック・ゴーストそのものが、人間の欲望や争いが続く限り完全には消えない存在として描かれている点も、『サイボーグ009』の深いところです。

「地下帝国“ヨミ”編」は本来の最終回に近かった

『サイボーグ009』屈指の名場面として知られるのが、「地下帝国“ヨミ”編」のラストです。

009と002は宇宙から地球へ落下し、夜空を流れる二つの流れ星のようになります。

その光を見た姉弟が願い事をする場面で物語は終わります。

実は石ノ森章太郎氏の中でも、一度ここで『サイボーグ009』を終わらせる意識があったとされています。

そのため、現在でも「こここそ本当の最終回」と考える読者が少なくありません。

非常に美しい終わり方だったからこそ、その後も作品が続いたことに驚く人も多いでしょう。

009と002はヨミ編で命を落としたという説が広まった

ヨミ編のラストがあまりにも印象的だったため、「009と002はあの場面で命を落としたのではないか」という説も生まれました。

地球へ落下する二人が流れ星として描かれているため、そう受け取っても不思議ではありません。

ただし、その後のシリーズでは009と002が再び登場しています。

そのため「二人があそこで完全に物語から退場した」という設定にはなっていません。

あくまで最終回としても成立する演出だったために生まれた、有名な解釈のひとつです。

「天使編」は本当の完結編として始まった

ヨミ編の後、石ノ森章太郎氏はさらに大きな物語を描こうとします。

それが「天使編」です。

ブラック・ゴーストよりさらに強大な存在と戦わせるため、最終的に選ばれた相手は「神」でした。

悪の組織を倒すだけなら、強い武器があれば解決できます。

しかし「神とは何か」「人間とは何か」という問題になると、単純な戦闘では終わらせられません。

ここから『サイボーグ009』は、ヒーロー漫画の枠を大きく超えた物語へ進んでいきます。

また、『サイボーグ009』には、「石ノ森章太郎氏は完結編を描くことを恐れていた」という都市伝説があります。

神を題材にした物語を完成させれば、作者自身に災いが起こると考えていたのではないか、という少しオカルト的な説です。

しかし、石ノ森章太郎氏本人がそのように語ったことを示す確かな資料は確認されていません。

実際には「神とは何か」「人間はなぜ存在するのか」という巨大なテーマを、自分が納得できる形でまとめることに苦労していたと思われます。

石ノ森章太郎氏は完結をあきらめたわけではなく、その後も構想を練り続けました。

「天使編」は打ち切りではなく石ノ森章太郎氏自身が止めた

「天使編」は途中で終わってしまったため、雑誌側から打ち切られたと思われることがあります。

しかし実際には、石ノ森章太郎氏自身が一度中断することを選びました。

テーマがあまりにも大きくなったため、もっと時間をかけて構想を練り直す必要があると判断したのです。

そして改めて始められたのが「神々との闘い編」でした。

つまり未完になった理由は、人気がなかったからではありません。

石ノ森章太郎氏自身が納得できる結末を求め続けた結果だったのです。

また、「天使編」が中断されると、読者からは続きを求める声が大量に寄せられました。

その熱は非常に強く、中には脅迫的な内容の手紙まであったと、小野寺丈氏が後に明かしています。

ところが石ノ森章太郎氏が「神々との闘い編」を始めると、今度は別の問題が起こりました。

内容が哲学的で実験的だったため、「話が分からない」「これまでの009とは違う」といった批判が届いたのです。

続きを求められ、実際に続きを描くと今度は批判されるという、作者にとって非常に難しい状況だったことが分かります。

石ノ森章太郎氏が残した構想から「本当の完結編」が作られた

石ノ森章太郎氏は生前、『サイボーグ009』の最終章を完成した漫画として残すことができませんでした。

しかし、物語を終わらせること自体をあきらめていたわけではありません。

晩年まで大量の構想ノートや原稿を書き続け、完結編のアイデアを残していました。

さらに息子で劇作家の小野寺丈氏は、石ノ森章太郎氏本人から完結編について直接話を聞いていました。

その遺稿や構想をもとに作られたのが『2012 009 conclusion GOD’S WAR』です。

さらに小野寺丈氏、早瀬マサト氏、シュガー佐藤氏らによって、漫画版『サイボーグ009完結編 conclusion GOD’S WAR』も制作されました。

ただし、これは石ノ森章太郎氏本人が最後まで漫画として描いた作品ではありません。

石ノ森章太郎氏が残した構想を、関係者ができる限り形にした「受け継がれた完結編」と考えるのが正確です。

サイボーグ009の裏設定まとめ

『サイボーグ009』は、単なるヒーロー漫画として終わらせるには、あまりにも大きなテーマを抱えた作品でした。

物語が進むにつれて、敵はブラック・ゴーストという組織だけではなく、戦争、人種差別、人間の欲望、科学の暴走、そして「神とは何か」「人間とは何か」という問題にまで広がっていきます。

石ノ森章太郎氏は「天使編」、さらに「神々との闘い編」で物語を完結させようとしましたが、テーマが壮大になりすぎたため、本人が納得できる形では最後まで描き切れませんでした。

それでも石ノ森氏は完結をあきらめず、晩年まで多くの構想や原稿を残しています。

その意思は後に小野寺丈氏らへ受け継がれ、『2012 009 conclusion GOD’S WAR』や漫画版『サイボーグ009完結編 conclusion GOD’S WAR』として形になりました。

国籍も人種も生い立ちも違う9人が、機械の身体にされながら、それでも人間らしさを失わずに戦い続ける。

その姿を通して「人間とは何なのか」を問い続けたからこそ、『サイボーグ009』は簡単には終わらせることのできない作品になったのでしょう。

未完という事実そのものも、石ノ森章太郎氏が最後まで答えを探し続けた作品だったことを物語っているのかもしれません。

この記事を書いた人

クロックフォードクロックフォード

探偵のエドガー・クロックフォードです。
裏設定ファイルでは、世の中の様々な物語の裏設定や都市伝説をまとめています。
公式の発表を中心に、噂の真相や有力な考察なども紹介しますので、どうぞお楽しみください。

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